当分野について

国際農村発展論分野のHPへようこそ!

私たちは、京都大学大学院農学研究科  生物資源経済学専攻の研究室の一つです。

現在、1日1.90ドル以下で暮らす貧困層は、地球上で7億人います。

「貧困の悪循環」の中に生きる人々は、低い農業生産性、農業技術普及の停滞、非効率なフードシステム、農業労働力の過剰就業などの問題に依然として直面しています。一方、近年の急激な外的環境の変化に伴いフォーマル・インフォーマルな農村制度が変容を遂げています。

私たちはミクロ経済学を基礎とし、農業経済学、開発経済学、計量経済学、農村社会学などの諸学問の方法を学際的に用いて、フィールド調査より得られたデータに経済理論及び統計学を応用し、これらの問題の要因解明とその解決に資する施策を提案する研究を行っています。

現在、アジア諸国、サブサハラアフリカ、中東、またその比較としての戦前期も含めた日本農村を研究対象としています。

国際農村発展論分野では、次のような研究、教育を行っています。

  •   開発途上国や発展途上経済における農村発展の諸問題
    • 発展途上諸国の農村発展における、貧困、金融・投資、農家経済、農産物流通、農産物需給、農村資源管理問題、経済発展による伝統社会の変容の問題

  • 国際農村発展の新たな視点からの研究
    • 新制度経済学の視点から、ゲーム理論や契約理論の枠組みのもと、臨地調査ならびに計量経済学の方法によって、開発途上国、中進国、また日本の、農村・農家経済を形作っているフォーマル・インフォーマルな農村制度の諸問題とそれらの関係構造に関する研究 
    • サブサハラアフリカにおける農村発展に関する研究

以下に、2015年以降の修士論文および卒業論文のタイトルのリストを掲載します。
これらは生物資源経済学専攻司書室にて閲覧が可能です。

2015年以降の修士論文のタイトル

  • 2024
    • タンザニアにおける送金が農業投資に与える影響~モバイルマネーに着目して~
    • 伝統的な結婚制度を通じた宗教の早期結婚に対する影響~ナイジェリアにおける実証研究~
  •  2023
    • Eliciting Willingness to Pay of Mechanical Irrigation Technology: Evidence from Peri-Urban Farmlands of Bandung, Indonesia
    • Agricultural Products Market Integration and Politics Competition in China
  • 2022
    • Comparative Study of Milk Distribution System in Morocco and Japan: From the Viewpoint of Vertical Coordination by Dairy Cooperatives
  • 2021
    • 戦前期農村の社会階層におけるシグナリング交際費と冠婚葬祭費の分析
      • 出版: 山添大輔, 浅見淳之, 三浦憲. 戦前期農村の社会階層におけるシグナリング -昭和恐慌期の交際費と冠婚葬祭費-. 農業経済研究. 2022. 93. 4. 377-382.
    • Witchcraft and Informal Risk Sharing: The Case of Rural Zambia

  • 戦前期農家の経済効率と労働配分―ミクロデータによる接近―
  • 戦前期における農家女性の家事と農業の労働配分デザイン―マルチタスク問題からの接近―
  • Testing the Separation Hypothesis in Ayeyarwady Delta Region, Myanmar
  • Adoption of Improved Rice Technology and Farm Household Welfare in Nigeria
  • The Consumer’s Evaluation of Rice Attributes in Laos: An Application of the Hedonic Approach
  • The Impacts of Food Safety Standards on Ethiopia’s Coffee Exports: Using Gravity Model Analysis
  • Maize Markets Integration in Tanzania-Analysis and Policy Implications
  • インド農村における既婚女性の労働供給構造―西ベンガル州での家計調査をもとにした計量分析―
  • エチオピアにおける非農業雇用市場の発展が農家の投資行動に与える影響について
  • コメの高収量品種が農家の厚生に与える影響について―バングラデシュを事例として
  • ベトナムの水田転作規制政策による農家所得への影響
  • The Impact of Migration on Agricultural Investment of Rural Households in Ethiopia
  • Dietary Diversification of Indonesian Households: An Econometric Analysis using SUSENAS Data

2015年以降の卒業論文のタイトル

  • 2024
    • 農地の誤配分(Misallocation)と天候リスクの関係
    • ザンビアにおける塩素消毒剤と煮沸消毒に関する社会的学習の分析
    • Hidden Actions by Wives in Contraceptive Behavior: Evidence from Zambian Couples
    • インドのアスベスト問題と農村住宅―住宅政策への提言―
  •  2023
    • マラウィにおける葉たばこ生産世帯の教育支出の変化-葉たばこ生産の衰退や児童労働の現状を踏まえて-
    • インドの農業従事者に対する金融包摂と投資行動について
    • Effects of Environmental Regulation on Farmers and Heterogeneity by the Regulation Cost: Evidence from Sugarcane Production in Thailand
    • カンボジアにおける労働移住と教育の関連性―プノンペンを中心とした移住について―
    • ザンビアにおける金融包摂の進展・阻害要因分析 〜家計のコミュニティへの帰属意識に注目して〜
    • ザンビアにおける家庭環境とマラリア予防策の関係性の分析ー蚊帳の使用率に着目してー
  • 2022
    • 時系列衛星画像を用いた森林面積推移の解析―中朝国境の白頭山周辺を事例として―
    • The Impact of Access to Natural Resources on Peaceful Co-existence between Refugee and Host Communities in Uganda
    • 国内農政との比較からみる京都府農政の独自性と新たな課題の発見
    • 母親の相対的交渉力が子どもの就学状況に与える影響―ザンビアの多民族社会に着目して―
  • 2021
    • 牛の期農家世帯員労働配分に及ぼす影響土壌ータと農家経済調査ータを用いた実証分析―
    • 型コロナウルスショによる計消費行動需要の影響―家出と物卸売に着目して―

  • 震災後の住居の選択とコミュニティの維持:宮城県本吉郡南三陸町を対象として
  • 戦前期農家の経済活動における社会関係資本の役割―冠婚葬祭と贈答に注目して―
  • 経済更生運動が農村経済に与えた影響の分析―山形県を分析対象として―
  • アフリカ社会に埋めこまれた贈与関係―ゲーム理論とミクロデータによる分析―
  • 自立と参加を促進する開発支援―国際NGOテラ・ルネッサンスを事例として―
  • 低温物流事業 アジア新興国への進出と今後の展望―ニチレイロジグループを例に―
  • タジキスタンにおける国際送金が農家世帯の投資と消費行動に及ぼす影響
  • インドにおける生物化学的(BC)技術採用の異質性―農業規模とカーストに着目して―
  • 日本の食品機械メーカーのアジアへの営業戦略―(株)サタケを事例に―
  • マイクロファイナンス機関の貸付形態と貧困削減―MIXデータを用いた計量分析―
  • ジェンダー平等と農業生産性の関係に関する国際比較分析
  • カンボジアにおけるマイクロ・ファイナンス(MF)の拡大と貧困削減
  • 就業におけるジャワ農家の行動モデル
  • 貯蓄組合の参加決定要因と効果、及び運営の成功要因―カンボジア タケオ州の12農村を事例に―
  • インドにおける貧困層向け医療保険制度の効果に関する考察 ―カーストや宗教差別に視点を向けて―